キミの心の声を聞かせて
「はぁ…あたし、なにやってんだろう?」
逃げ込んだ、お手洗いで、ジャーと勢いよく流れる水で顔を洗ったあたしは
鏡に映るボヤケた自分の顔をボーっと見つめた。
ポタン…ポタンと顔から流れ落ちる雫の音が静まり返った廊下に響き渡る。
この気持ちって、美紀が言うとおり、ヤッパリ恋なのかな?
だからって、どうしたらいいか本当に分かんないんや。
恋なんて経験、一度もなかったし。
誰かを好きになった事さえ、一度もなかった。