キミの心の声を聞かせて
「雄大先輩には、言わないでください」
シュンから少し離れて壁にもたれながら静かに言った。
「なんで?言えばいいじゃん」
シュンは、窓枠に肘をつきながらアッサリとそう言った。
「そんな、簡単に言わないでよ」
「なんで?」
「なんでって…怖いからに決まってる」
「怖いって、なにが?」
なにがって…。決まってるじゃない。
あたしの想いを知って
雄大先輩との関係が…壊れちゃうのが怖いからだよ。
せっかく、仲良くなれたのに。
さっき気づいたばかりの、このあたしの気持ち。
自分でも、どうしたらいいか分からないのに。
雄大先輩に知られて態度が変わる事が
怖いからだよ。