キミの心の声を聞かせて

「雄大先輩には、言わないでください」


シュンから少し離れて壁にもたれながら静かに言った。


「なんで?言えばいいじゃん」


シュンは、窓枠に肘をつきながらアッサリとそう言った。

「そんな、簡単に言わないでよ」


「なんで?」


「なんでって…怖いからに決まってる」

「怖いって、なにが?」


なにがって…。決まってるじゃない。
あたしの想いを知って

雄大先輩との関係が…壊れちゃうのが怖いからだよ。


せっかく、仲良くなれたのに。


さっき気づいたばかりの、このあたしの気持ち。

自分でも、どうしたらいいか分からないのに。


雄大先輩に知られて態度が変わる事が


怖いからだよ。




< 130 / 402 >

この作品をシェア

pagetop