キミの心の声を聞かせて

だけど、そんな事を聞く勇気なんて、あたしには…ない。


「恭子は、去年までうちのバンドでドラムしてたんだよ」


そう教えてくれたのは、シュンだった。


「そう…なんだ…」


シュンは、あの日の告白が、まるでなかったように普通に接してくれる。


それどころか、逆に以前より仲良くなった気がする。傷つけたのに、シュンは何も気にしてないように自然に接してくれる。



それが嬉しくもあり、苦しくもあった…。


シュンを、傷つけたのに。



だからって、あたしは、シュンに何もできないんだ。



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