キミの心の声を聞かせて
どうして悲しくなるんだろう?
その理由を知るのに、時間はさほどかからなかった。
だって…あたしの目の前で
見たことない表情で、恭子さんを見つめる雄大先輩がいるんだもん。
誰から言われなくてもすぐに分かるよ。
雄大先輩が、恭子さんを好きだって事ぐらい…。
好きだから…分かってしまった…気づいてしまった…雄大先輩の気持ち…。
部室に響き渡る最高の音色を聴きながら
あたしは、1人俯き唇を噛んだ。
雄大先輩の嘘つき…。女の子には興味ないって言ってたじゃん…。