キミの心の声を聞かせて

どうして悲しくなるんだろう?

その理由を知るのに、時間はさほどかからなかった。


だって…あたしの目の前で


見たことない表情で、恭子さんを見つめる雄大先輩がいるんだもん。


誰から言われなくてもすぐに分かるよ。

雄大先輩が、恭子さんを好きだって事ぐらい…。


好きだから…分かってしまった…気づいてしまった…雄大先輩の気持ち…。


部室に響き渡る最高の音色を聴きながら


あたしは、1人俯き唇を噛んだ。


雄大先輩の嘘つき…。女の子には興味ないって言ってたじゃん…。



< 138 / 402 >

この作品をシェア

pagetop