キミの心の声を聞かせて

あたしは、子供達から少し離れた場所にあるベンチに腰を下ろした。


うぅ~んと背伸びをして深呼吸すると

空気が肺一杯に広がって。このまま空気と同化できればいいのにな…。


ハァ…と、ため息がこぼれた。


「なにしてんの?こんなところで」


不意に声をかけられて見上げてみたら

「シュン…?」


Tシャツに腰パンを履いて、ポッケに手を突っ込んで


「なにシケタ顔してんの?」


ニッと笑うシュンがいた。


「なんで?ここにいるの?」


まさかこんなところでシュンに会うなんて思ってなかったあたしは

ポカンとシュンの顔を眺めていたら


「変な顔で見んなよな」


ブスに見えるぞなんて意地悪な言葉を吐きながら、あたしの隣に腰を下ろした。



< 146 / 402 >

この作品をシェア

pagetop