キミの心の声を聞かせて
知らず知らずのうちに、あたしの心は鍛えられたみたい。

そうじゃなきゃ、今、こうして生きてないか。


程なくして入ってきた担任の先生は、なんか頼りない40代の女の先生。

先生に期待することは、あの日以来やめた。


ただ、この高校生活が早く過ぎる事だけを願っていた。


ホームルームが終わり、それぞれが思い思いの場所に行き
「あの先輩カッコいいよね」

「そうそう、顔がヤバいぐらいにカッコいいよね」


カッコいいと噂の一個上の先輩の話しで盛り上がり始めた。

名前は確か…


「高村先輩と仲良くなりたいよねぇ」

そう、高村…だったっけ。


まぁ、あたしは、そんな話に興味はないしね。1人で窓から見える空を眺める方がよっぽど楽しいよ。

空を眺めることが好き。

この空の下には、こことは違う世界が広がっている。


誰も、あたしの事を知らない世界がそこにはあるんだ。

その世界で翼を広げて大空を飛び回る鳥のように。

自由に翼を広げて生きていく。

それが、今のあたしの夢。


この学校という世界が、全てではない。


全てじゃないのだから。



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