キミの心の声を聞かせて
学校は大嫌い。だけどサボらず来るのは、将来自分が困らない為。

学校に来るのに、他に意味なんてなにもない。

昼休みも、放課後もあたしは1人。

誰とも一言も話さない。

それが寂しいなんて…思わないよ。

長かった先生の話しがやっと終わった帰りのホームルーム。

とにかくサッサと帰ろう。ここにいても時間の無駄。

ガタンと椅子から立ち上がり鞄を手に取ったその時…。


「ねぇ、一緒に帰ろう」


へ?いま、誰か何か言った?


自分の耳を疑って辺りをキョロキョロ見渡すと。あたしの視界に笑顔の仲本 美紀の姿があった。

「いま、なにか言った?」


予想外の言葉に戸惑いながら聞くと、柔らかな笑顔で、真っ直ぐあたしの瞳を見つめて


「一緒に帰ろう」

もう一度そう言った。

仲本美紀。その瞳は澄んでいて。きっと今まで苦労なんてしたことないって思うような無垢な笑顔。

「なんで?」

この笑顔…なんか苦手だな…。思わず距離を置いて聞くあたしに、仲本美紀は「一緒に帰りたいから」
そうハッキリと告げた。





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