キミの心の声を聞かせて
第五章
そばにいたいから。
7月になり、少しずつ晴れ間が続くようになった6日の放課後。
いつものように部室で練習をしていたあたし達。
「やっぱりクーラーは最高だなぁ」
壊れていたエアコンも直り、ヨッシーの機嫌も上機嫌になっていた。
おかげで、あたしもだいぶヨッシーから文句を言われなくなり、それどころか
「智樺、最近声よく出るようになったな」
髪をワシャワシャとグチャグチャにしながら誉められるようになった。
「ヨッシー、痛いよぅ~やめてぇ~」
「まぁ、遠慮するな。頭のマッサージだ」
初めは怖がっただけのヨッシーだったけど
ようやく、あたしがヨッシーに慣れたのか?それともヨッシーがあたしに慣れたのか?
どっちなのか定かじゃないけど、ヨッシーとの距離がいい具合に縮まっているのを感じていた。