キミの心の声を聞かせて
そう意気込んでいたあたしだったけど。
この日の授業は全く頭に入らないまま、時間はドンドン過ぎていき。
何をしたかなんて思い出せないまま。
あっという間に七夕ライブ本番まであと1時間という時間を迎えていた。
朝方降っていた雨は、見事に止んで見上げた空は雲なんてどこにもない。
「あぁ…無理…無理…絶対無理…」
賑やかな祭り囃子や、観客の笑い声が聞こえてきて、焼きそばや、たこ焼きや、美味しそうな匂いが充満している控え室のテントの中。
あたしは吐きそうなぐらいの緊張でガタガタと体を震わせていた。