キミの心の声を聞かせて

そう意気込んでいたあたしだったけど。

この日の授業は全く頭に入らないまま、時間はドンドン過ぎていき。


何をしたかなんて思い出せないまま。


あっという間に七夕ライブ本番まであと1時間という時間を迎えていた。


朝方降っていた雨は、見事に止んで見上げた空は雲なんてどこにもない。



「あぁ…無理…無理…絶対無理…」


賑やかな祭り囃子や、観客の笑い声が聞こえてきて、焼きそばや、たこ焼きや、美味しそうな匂いが充満している控え室のテントの中。


あたしは吐きそうなぐらいの緊張でガタガタと体を震わせていた。




< 183 / 402 >

この作品をシェア

pagetop