キミの心の声を聞かせて
20分後ーーーーーーーーーーー
「できたぁ!!」
美紀の満足そうな声が響き渡り、姿見の鏡の前に立たされた。
「ほら、可愛いよ!智樺!」
「うっそ…?これって…あたし?」
目の前の鏡に映っていたあたしは、普段のあたしとは全く違うあたしだった。
いつの間にか被せられていた金髪のカツラはショートで大人っぽい髪型で
それに合うようにメイクも大人っぽい艶やかなルージュを塗られていて
睫まで、付け睫が二枚重ねになってるし。
アイブローにアイラインもバッチリで
絶対、あたしだなんて気づかれないようなメイクだった。
服だってそう、ピタッとした胸元が少し開いた黒のカットソーに、デニムの膝上のダメージスカートにヒールが高めのブーツ。
本当に、これが、あたし…?