キミの心の声を聞かせて
願いは1つだけ
「ごめんなさい…ごめんなさい…あたしのせいで…ごめんなさい…」
いつの間にか連れて来られていたテントの中。
膝を抱えてしゃがみこみ、ただ謝ることしかできないあたし。
あたしのせいで、ライブをグチャグチャにしてしまった…。
あたしがいたから…雄大とヨッシーとシュンに迷惑をかけてしまった…。
あたしのせいで…。
「智樺のせいじゃないよ」
美紀が優しく包み込んでくれるなか
「智樺、大丈夫だって。お前のせいじゃないよ」
シュンが、あたしの肩をグッと掴んで力強く言った。
「シュン…だけど…あたしのせいで…それに、雄大が…」
雄大は、騒ぎを起こした責任を問われて止めに入ってきた警備員に連れて行かれてしまっていて、植松は上手い具合に逃げてしまっていた。
「ヨッシーがきっとなんとかしてくれるよ」
「ホントに?大丈夫?」
ヨッシーは、佐伯先生と一緒に連れて行かれる雄大の後を追ったまま、まだ戻って来ない。
雄大に何かあったらどうしよう…不安で胸が張り裂けそうだ。
雄大が悪いわけじゃないのに…
あたしが…あたしがいたから…。