キミの心の声を聞かせて
「智樺!ご飯よ!」
夕食の時間になり、リビングからあたしを呼ぶ母の声が聞こえてきた。
「分かった。今行くよ」
読みかけの雑誌を置いてリビングに向かうと
何事もなかったように両親がテーブルに向かい合って座っていた。
「智樺、マヨネーズ取ってきて」
母が、冷蔵庫を指差していった。
「自分で取ってよ」
「立ってるからいいじゃない」
「ったく…。分かったよ」
ブツブツと言いながらキッチンに向かい冷蔵庫からマヨネーズを取り出し持っていく。
そして、ごく普通に「いただきます」と食事を始める。