キミの心の声を聞かせて
あたしが泣いたからってどうにもならないこと分かってる。
けど…涙を必死にこらえてる雄大の姿見てると
涙を堪えることができなくて…
「ヒック…ヒック…」と泣き出したあたしの涙を「お前が泣いてどうすんだよ?」と、潤んだ瞳であたしを見つめながら拭ってくれる雄大の視線と、あたしの視線が重なった。
重なる瞳…すぐ近くにある雄大の唇。
バクン…バクン…と、鳴り響く鼓動。
ジッと、身動きできないまま、雄大を見つめていると
遠くの夜空でヒューパァン!と打ち上げ花火が咲いた。
「あっ!花火上がったな!」
雄大が、あたしから視線を逸らして言った。
「そうだね。上がったね」
指で涙を拭きながら、明るく言った。
鏡を見なくても分かる。今のあたしはきっと茹で蛸みたいに真っ赤だ。