キミの心の声を聞かせて
次の日の朝の学校。
少しずつ暑くなる風を感じながら教室のドアを開けると
「ちょっと。きのうのライブ。どういうことよ?」
「あんたのせいでライブ滅茶苦茶になったんだからね」
数人の女子のクラスメートから口々に言われながら囲まれた。
そうだよね…。【prism】の演奏楽しみにしてる人達いっぱいいたんだよね。
けど、あたしが滅茶苦茶にして、みんなの期待裏切っちゃったんだよね。
彼女たちも雄大達の演奏をもっと聴きたかったよね?
それなのに、あたしが歌えなかったから。責められても仕方ないと思った。
「ごめんなさい」と謝ることしかできない。
「そもそも、なんで中山さんがボーカルなわけ?」
「中山さんより上手い人沢山いるのに」
ごもっともです。あたし以上に歌が上手い人はいる。それは認める。けど…
「あたし、頑張るから。みんなに認めてもらえるように頑張るから。どうか、分かってください」
そう言って頭を下げた。
「きのうのライブ。滅茶苦茶にしてごめんなさい!」
今のあたしには、頭を下げることしかできないから。