キミの心の声を聞かせて
朝食を済ませて、学校に行く準備を済ませたあと
「いってきます」と玄関先で言うあたしに
「いってらっしゃい」
「気をつけていけよ」
と両親の声が聞こえてきた。
玄関を開けて外に出たら、眩しい太陽の光がさしてきて、思わず瞼を閉じた。
ゆっくりと瞼を開けて見えてきた景色には
いつものように学校や仕事に向かう人達の姿。
この変わらない、いつもと同じ日常の中
この道を歩いてる人達には、当たり前のように家族がいて。
その家族にしか分からない悩みがあれば
その家族だけの考えや形があるだろう。
もしかしたら他の人達から見たら、あたし達の家族は、どうにかしたらおかしな家族に見えるかもしれない。
だけど、それがあたしの家族。
これだけ、いろんな人達がいるんだ。
それと同じ数だけいろんな家族がいてもいいんじゃない?
なんて…そんな事を考えながら、それぞれの場所に向かう人達の後ろ姿を眺めていた。