キミの心の声を聞かせて

「別にさ、どうでもいいじゃん。雄大の事なんて…」



シュンから顔を背けて次第に真っ暗に染まっていく空をボーと見上げた。



「いいわけねぇだろ?誰のせいで俺がお前を諦めたと思ってんだよ?」


らしくないぐらいに真剣なシュンの声が静かな空間に消えていく。



「いいじゃん。今は美紀が好きなんでしょう?

あたしの事やめて正解だったよ。あたしよりもさ、美紀の方が何倍も性格いいし。可愛いしさ」



ホント良かったねと笑って言うと、突然あたしの腕をギュッと掴んで



「お前さぁ…マジで言ってんの?言っとくけど俺…本気でお前の事好きだったんだぞ」



怖いぐらいに真剣で、悲しいぐらいに切ない真っ直ぐな瞳。



「俺がどんな想いでお前諦めたと思ってんだよ?もっと自分の気持ち大切にしろよ!」


「シュン…」



「本当は、雄大が恭子といるの見てるだけで泣きたくなってるくせに…雄大の前でカッコつけてんじゃねぇよ!!」



シュンの言葉が、あたしの中の開かずの扉の鍵をこじ開けようとしていた。





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