キミの心の声を聞かせて
第七章
海とキミと
学校が夏休みに突入してからも軽音部の練習に明け暮れる日々が続いた8月の最初の日曜日。
ミンミンと蝉が短い命を鳴き声に託して生きようとする声が響く海辺近くの林を
額から落ちる汗を手で拭いながらビーサンで自転車を走らせると
スッカリ真夏へと移ってしまったギラギラ輝く太陽の容赦ない光に照らされた海が見えてきた。
家から自転車で20分程にあるこの海に来たのは何年振りだろう?
小さい頃は、よく両親と来てたこの場所だったけど
最近は、滅多に来なくなっていたっけ。
そんな事を考えながら駐輪場に自転車をとめて、カゴからバックを取り出し肩に掛けて
太陽の光で熱くなった砂浜を熱を感じながらビーサンで歩いていると
「智樺ぁ~こっちこっち!」
スッカリ日焼けした雄大達の姿が見えてきた。