キミの心の声を聞かせて

一瞬、なにが起きたのか分からなくて、顔を上げると


「おっ、可愛いじゃん」と笑みを浮かべる背が高い大学生ぐらいの知らない男の人が２人。


１人は金髪で、あたしの腕を掴んでる方は色黒で耳にピアスが光ってる。


２人で挟むようにして、あたしを見下ろしていた。


「なんですか？離してください」


「おっ、元気だね。君さ、１人？だったらさ俺達と遊ぼうよ」


色黒のニマッと不気味な笑みに、思わず背筋がゾクッとした。

誰かに助けを求めようとして辺りをキョロキョロしたら

いつの間にか、人気のないところまで来ていたらしく。周りには誰もいなかった。


ここは１人でどうにかするしかない。そう思って


「１人じゃないです。離してください」

腕を振り払おうとしても、男の力は強くて、簡単に離してくれない。



「もう、離してください！」



「あっ、もしかして怒った？可愛いね」


金髪のチャラチャラした言い方にムカついた。


もしかしてじゃなく怒ってるし。とにかく離してよ!!



唇噛み締めてギロッと睨んだら


「気が強い子好きなんだよねぇ」


色黒がニマッと、また不気味な笑みを浮かべた。