キミの心の声を聞かせて
コワイ…。
とにかく逃げなきゃ…。
「離して…」
恐怖で震え始めた体で必死で振り払おうとした時だった。
「離せよ」
低い声と共に、グイッと引き寄せられる体。
スポンと、長い腕に包み込まれて、上を見上げたら
「離せって言ってるだろう?」
見たことないぐらい怖い瞳で目の前の色黒男達を睨んでる
雄大がいた。
「ゆう…だい…?」
なんで…?なんで…ここにいるの?
「なんだよ?お前?ガキが出てくんなよ」
色黒が、あたしの腕を掴んだまま離そうとしない。
その腕を雄大がギュッと掴んで
「いつまで触ってんだよ?コイツに触ってんじゃねぇよ」
と色黒の腕をグイッとねじ上げるようにすると
「イッテェー!!」と、色黒が叫び声を上げると同時に、あたしの腕を離した。
瞬間、あたしの体を自分の後ろに庇うように追いやると
あたしの前に立ちふさがった雄大。
なんで…?こんなことするの…?
なんで…。こんな期待しちゃうようなことするのよ…?
油断したら零れてきそうな涙をグッとこらえた。