キミの心の声を聞かせて
「テメェ…」
色黒が、雄大を一発殴り、鈍い音が静かな空間に響いた。
「雄大!?」
「大丈夫だから、心配すんな」
雄大がチラッと後ろを振り返って優しく言った。
その口元からは、少しだけ血が滲んでいた。
「ゆうだい…」
雄大の背中に、そっと手をあてた。
広くて、優しくて…そして、あったかい…。
「コイツに手を出すな」
ジリジリと迫ってくる色黒男達から、守るように後ろに後ずさりする雄大。
「どけよ」と、色黒が、もう一発雄大を殴ろうとした時
「殴んなら殴ってみろ!!その代わり、コイツに手出したら許さないからな!!」
雄大の迫力を帯びた怒鳴り声に、色黒男達が一瞬怯んだ気がした。