キミの心の声を聞かせて

「恭子さんも?」

意外だった。恭子さんは、いつも明るくて、優しくて。


心から笑ってるように見えたから。


「あたしね、昔はこれでも色々あったんだ。悩みばかりでね。自分に自信持てなくて、ずっと人の機嫌伺ったりしてたの」



そんな時に、ヨッシー達と出会って、意気投合して軽音部に入ったと懐かしそうに話す恭子さん。



「ドラム叩いてるとね、不思議と気持ちがスッキリしてきて。なに小さな事で悩んでるんだろうって。悩む事が馬鹿らしくなったの」



「そうなんですか」



「そう。智樺ちゃんもそうでしょう?雄大達と出会って、軽音部に入って。いつの間にか知らなかった自分に出会えたんじゃない?」


確かに、そうだ。

恭子さんの言うとおり。雄大達に出会って軽音部に入ってから、今まで知らなかった色んなあたしに出会えたんだ。





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