キミの心の声を聞かせて

恭子さんは、その後すぐにいつものように明るい笑顔でニカッと笑ってみせると


「その時にね、雄大から相談された事があるんだ」


「相談?」


「珍しいでしょう?」と言うと、クスっと思い出し笑いを浮かべた。



なんだろう?と思って見てたら



「雄大ね、好きな人ができたって言ったの」



「えっ!?好きな人…」


「そう、好きな人。なんか、その時の雄大ってらしくないぐらい真面目な顔でね」


つい、笑っちゃったら「笑うなよ」って怒られちゃったと、クスクスっと笑う恭子さん。


笑いながら「だったら好きって言えばいいじゃないって言ったら、雄大なんて言ったと思う?」


突然聞かれて「さぁ?」と言うと



「雄大、仲間に簡単に好きなんて言えないって」


「えっ…!?」



それって…それって…もしかして…


「あたしが言ってる意味、分かった?」

恭子さんは、ニコっと優しい微笑みを浮かべている。




< 313 / 402 >

この作品をシェア

pagetop