キミの心の声を聞かせて
「な、なに?」
トクン…トクンと鼓動が激しく波打つ。
重なる視線が熱い。
ドキドキが止まらなくて、息が苦しい。
少しずつ近づいてくる雄大。
手を伸ばせば、触れる距離にいるのに。
この距離がもどかしい。
何を言われるんだろう?
そう思った時だった。
「俺さ……俺…お前のことが…」
あたしのことが…なに?
早く言ってよ。じゃなきゃ心臓持たないよ。
壊れそうなぐらいドキドキしてる心臓
まだ乾いてないシャワーを浴びた後の濡れた髪の滴が着ているTシャツにポタリと染み込んで冷たいのに
それが蒸発してしまうようにカラダ全体が熱くてたまらないよ。
息が止まりそうで、胸元をギュッと掴んだ時だった。
「俺…お前が好きだ…」
真っ赤な顔で、絞り出すように言われた言葉に、あたしは、これが現実なのか分からなくて、プカプカと浮かぶ夢心地な感じがした。