キミの心の声を聞かせて
ボーっとなってる頭の中で、雄大の言葉がグルグルと回ってる。
これは夢?それとも現実?
何度も頭の中で繰り返す。
「智樺?聞いてる?智樺?」
「へっ?」
「へっじゃなくって、お前、ちゃんと聞いたか?」
まだ赤い頬の雄大が、少しむくれながら言った。
「あ、うん。ごめん…聞いた」
「そっかぁ…よかった」
そう言って、黙り込んだ雄大。また少しだけ沈黙が流れたあと、ゆっくりと口を開いて話し出した雄大。
「驚いた…か?」と聞かれて「うん…ちょっとだけ」と応えた。
「そっかぁ…」と頬をポリポリと指で掻くと
「俺さぁ、ずっと悩んでた。お前に、俺の気持ちを言うかどうか…」
そう静かに言った。