キミの心の声を聞かせて

「智樺…」


「好き…大好き…あたしも…ずっと…ゆうだいが…だいすき…」



やっと言えた想い。全部あなたに伝わるように…何度も何度も繰り返し言った。



雄大は「分かった、分かったから」と、あたしの肩を、片方の腕で抱き寄せた。



ギュッと抱きしめられて、雄大の胸にそっと耳を当てた。



あたしと同じくらい波打つ鼓動とぬくもりに、これが夢じゃないと感じた。



ソッと、雄大の顔を見上げると



肩越しに見える夜空には一番星が輝いていて


「智樺…」と名前を呼ばれて見つめると

重なる視線に、ゆっくりと近づいてくる雄大の顔。



頬に流れ落ちる涙を、雄大の指が優しく拭ってくれた瞬間…



「好きだよ…」と囁かれて


壊れそうな心のまま雄大の顔を見ていたら


おでこに優しいキスが降ってきて


もう一度キツク抱きしめられた。




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