キミの心の声を聞かせて
数分後「もう、マジで帰らないといけないよな」と雄大が名残惜しそうに呟いて
抱き合っていた体をゆっくりと離してから、後ろに2、3歩下がって雄大の顔を見上げたら
「そんな泣きそうな顔すんな」と、もう一度ペシンと軽くデコピンされた。
「だから、イタイって」とむくれると
「またな」と、ゆっくりとあたしの顔を見ながら後ろに下がると
姿が見えなくなるまで、互いにバイバイした。
雄大の姿が見えなくなった後も、ウソみたいな現実に頭がボーっとして、その場に立ち尽くしたまま見上げた空には
いつまでも変わらない場所に光る北極星が輝いていた。