キミの心の声を聞かせて
未来に向かって。
長かった夏休みが終わり、文化祭を明日に控えていたあたし達は
「コラッ!智樺!音、またズレてるぞ!もう一回だ!」
怖いぐらいにやる気に満ちていた。
「ごめん、もう一度お願いします!」
「おぉ、やる気満々じゃん智樺」
横からシュンの声が聞こえてきた。当たり前だ、今、歌っている曲は、あたしが作詞して雄大が作曲してくれた曲だから。
チラリと後ろを振り向いたらニカッと優しく笑う雄大の笑顔をあたしを見守ってくれている。
その笑顔が、あたしにまた力をくれるんだ。
「あたし、完璧に歌いたいんだ」
後悔しないように。大切な曲だから。
自分やみんなが納得できるまでやりたいんだ。