キミの心の声を聞かせて
「なんか、いよいよ…明日だな」
「そうだね。なんか落ち着かないね」
雄大と並んで帰る帰り道は、あたしにとって、何よりも大切な時間。
このまま、ずっとこんな風に雄大と一緒に肩を並べて歩く事ができたらいいな。
「ねぇ、雄大…」
「なに?」
「来年もさ…こんな風に、一緒に並んで歩けるよね?」
そう不安げに言ったあたしの顔を、雄大が「当たり前だよ。なに言ってんの?」と笑いながら明るく言った。
「そうだよね…」
あたし、なに急に変なこと言ってんだろう?
明日が文化祭ライブ本番だから、ヤッパリ不安になってるのかな?
「どうした?智樺。顔、なんかひきつってるぞ。もう緊張してるのか?」
「えっ?そんなこと…あるかも…」
どうしよう…?と苦笑いするあたしの手をギュッと掴んで
もうすぐあたしの家に着くのに、来た道を逆に戻っていく雄大。
「どうしたの?雄大、あたしの家、あっちだよ」
「いいから、ちょっと黙ってついてこいって」
少し強引で、言葉少なめな雄大に連れて来られた場所は家から少し離れた場所にある綺麗な川が流れる公園だった。