キミの心の声を聞かせて

夕暮れ時で、遠くに夕日が沈む姿が、川の水面に映って濃いオレンジ色に染まっている。


「きれい…」

思わず漏れた言葉。

「ここな、落ち込んだ時によく来てた場所なんだ」


雄大が、芝生の上に寝転がって濃いオレンジ色の空を見上げた。


そんな雄大の隣に、静かに腰を下ろした。


「智樺も寝転がってみ?景色が全く違って見えるからさ」



雄大の言葉で、ちょっと恥ずかしさを感じながら芝生の上に寝転んで空を見上げた。


「ウワァ…なんか、すごいね…」



上手く言えないけど、手を伸ばせば届きそうで、一瞬、濃いオレンジ色の世界の中に吸い込まれそうな錯覚に襲われた。



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