キミの心の声を聞かせて

「スゲェ、気持ちいいだろう?」


「うん…気持ちいい…」


瞼を閉じると聞こえてくる川のせせらぎに、時々パシャンと何かが跳ねる音。


ザワザワと風が葉を撫でる音や、虫の鳴き声も聴こえてくる。


気持ちいいな…。まるで地球の鼓動を感じてる気がした。



「俺さぁ、思うんだ」


「なにを?」



「人間ってさ、ホントちっぽけな存在なんだなって」



「うん…あたしも、思うよ」



この地球に比べたら、人間はちっぽけで、無力で…儚い生き物だって。


どんなに頑張ってみても地球にかなうことなんて、まずできない。



かなうはずがない。



それでも、人間は生きていく為に、知恵を発達させて、知識を得て…住みやすい世界を作っていく。


時にそれが行き過ぎると、同時に自分達の世界を壊していくと気づきながら



もがいて…また新しい知識と知恵をつけて生きていく。



地球という大きな命に支えられながら


人間という命を紡ぎながら生きているんだ。





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