キミの心の声を聞かせて

「智樺…」

「あたしが、雄大の心を照らすから…雄大が、あたしにしてくれたように…あたしが雄大の心を照らすから…」



だから…だから、そんなに苦しまないで、悲しそうな顔しないで…。


「智樺…」



そう言うと、雄大は、あたしの腕を掴んでグィと体ごと引き寄せると、自分の体の上に重なるように抱きしめた。



ギュウと抱きしめる雄大。


「ちょっ!?雄大!これ、重いって」


突然の慣れない体制に、顔を赤くしながら慌てて離れようとすると


「いいって、このままでいろ」

そう言って、あたしの頭をギュッと自分の胸に押し当てた。

そのまま顔を雄大の胸に当てるとドクンドクンと雄大の鼓動が聴こえてきた。



重なる雄大の鼓動とあたしの鼓動。



“生きている”



そう感じた。





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