キミの心の声を聞かせて
少しの間、耳を澄ませて、その力強い鼓動を聴いた。
ドクンドクンと力強く波打つ鼓動。
気のせいか、少しずつ早くなっている気がした。
次の瞬間、ゆっくりとあたしの体を抱きしめながら体を起こす雄大。
片膝を立てて座っている雄大の手が、もう一度力強く抱きしめた。
こんなに力強く抱きしめられるのは初めてで、ドクンドクンと心臓が飛び出してきそうな勢いで激しく波打つ。
「智樺…」
耳元で名前を囁かれて、雄大の息がかかってくすぐったい。
「なに…?」そう聞くのが精一杯だった。
「お前に出逢えて、よかったよ…」
雄大の言葉が嬉しくて、背中に腕を回して抱きついた。