キミの心の声を聞かせて
「智樺…」
そう囁いた雄大の、大きくて優しい手のひらのぬくもりが
あたしの頬を包み込んだ。
ゆっくりと顔を上げると、綺麗なオレンジ色に染まった雄大の瞳の中に
潤んだ瞳で雄大を見つめるあたしの姿が映ってた。
静かな風が吹く中、川の水面に夕日に照らされた魚が飛び跳ねて水しぶきがキラリと光った。
視線が重なって、鼓動は煩く波打つ。
ゆっくりと雄大の顔が近づいてきて
雄大の顔が視界から見えなくなった瞬間
唇に柔らかなぬくもりを感じた。
ドキンと、一瞬心臓が止まりそうになって
もう一度、視界に雄大の照れた顔が見えた時
キス…したんだと気づいた。