キミの心の声を聞かせて
そして、やってきた文化祭当日。
あたしは朝からドキドキが止まらなくて朝ご飯が想うように喉を通らない。
「どうしたの?食欲ないの?」
母が心配そうな顔で聞いてきた。父も「珍しいな」とあたしの顔を覗き込んでいる。
両親は、あたしが軽音部でボーカルをしている事を知っている。
というか、知られてしまったと言った方が正しい。
実を言うと、両親には、あたしがボーカルしてる事が知られると恥ずかしくて「軽音部のマネージャーをしてる」とずっと嘘をついていた。
だけど、お祭りが終わってから、風の噂で耳にしたらしく。
「ボーカルしてるって本当なの!?」と母が興奮気味に聞いてきた。