キミの心の声を聞かせて
ほんとに、一体なんなのよ!?わけ分かんない!!
「ついた、ここだよ」
結局、無理やり連れて来られて目の前には、なんとも言えないむさ苦しい匂いが漂ってきそうな部屋。
そのドアの横にはカラフルな色で『軽音部』と書かれた文字。
軽音部って、まさか…。
「ついた。ここだよ」
高村雄大は、あたしの腕を掴んだまま
その部屋のドアを開けた。
そこには…。
「おそぇーよ。お前。ここまで来るのにどんだけ時間かかってんだよ」
「また、屋上で寝てたんじゃないの?」
見知らぬ男の子が2人。
1人は、髪をツンと立たせてベースを持っている一見ヤンキーみたいな男の子。
もう1人は、キーボードの前に立ち冷めた瞳の男の子。
この2人…楽器持ってるってことは…やっぱりバンドの事だ。
「あ、紹介するな。こっちはベース担当の1っ個上のヨッシー。
で、こっちがキーボード担当で同じ2年のシュン。
で、俺がドラム担当のユウダイ。」
ちなみに、ここが俺達、軽音部の部室だと満面の笑みで話す高村雄大。
最後に信じらんない言葉を発した。
「キミの仲間さ」
「はぁ~?」
仲間なんて…ありえないに決まってるでしょう。
……仲間なんて…簡単に言わないでよ…。