キミの心の声を聞かせて

「ちょっと!?勝手に決めないでください!!どうしてあたしがボーカルなんですか!?」

眉を釣り上げて怒るあたしに

「あ、それとも他の楽器がよかった?」

何食わぬ顔で、そう聞いてくる高村雄大。

はぁー?なにとぼけたこと言ってんの?

「そんな問題じゃなくて!そもそも、あたし。この部活に入るなんて言ってないし、ボーカルなんて…やるわけないじゃん!」



冗談じゃない。サッサと帰ろう。


「とにかく。あたしボーカルなんてする気ないですから」


じゃあねと、高村雄大達に背を向けた。


「あ、おい!だから待てって!」


高村雄大がしつこく止めようとした。

「まぁ、いいんじゃね。俺も、その子じゃ、うちの軽音部のボーカル勤まらないって思ってるし」


後ろの方で、ツン頭帰れ帰れと犬かなにかを追いやるように手をホイホイさせて、もう一人は全く興味ない様子。

あたしは無視を決め込んで、部屋を後にした。




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