キミの心の声を聞かせて
はぁ…。とにかく早く帰ろう。今、何時なの?
校舎を出て校門に向かいながら、制服のポケットから携帯を取り出し時間を確認しようとした…ら
「もうらい。」
横からヒョコっと手が伸びてきて。
あたしの携帯を取り上げた。
「えっ?」
なに?戸惑いながら視線を移すと、高村雄大が、あたしの携帯を持ったままニカっと笑っていた。
「ちょっと…。あたしの携帯返して」
半ば半ギレして言うあたしに
「うちの部活に入ったら返してあげる」
ムカつくぐらいの爽やか笑顔で言った。