キミの心の声を聞かせて

「なぁ、いいだろう?歌ってくれよ。うちのバンドで!!」
必死で両手合わせて頼んでくる高村雄大。

「バカみたい。あたしの声に惚れたなんて。あんたの耳どこかおかしいんじゃないの?」



今まで自分の声がいいなんて思ったことないわよ。


「とにかく。携帯返して!!」


手を伸ばして取ろうとしても、20cm近くはある身長差が邪魔して手が届かない。


ムカつく。なんでこんなに背が高いのよ!?



おまけに、高村雄大はこの状況を楽しんでいるように見えるし。


「もう…マジでムカつく!!なんであたしなんですか!?あたしみたいな地味で目立たない子より

可愛くて人気がある女の子に頼んだ方がいいんじゃないですか!?」


あたしなんかより、他にピッタリな子たくさんいるでしょう!?



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