キミの心の声を聞かせて

やけに自然に声をかけてくる先輩をポカンと見ていたら


「おはよう!」

もう一度、今度はさっきより大きな声で言ってきた。


その声を聞いた生徒達の視線が、あたし達に集まっている。

よく見れば、こっちを見ながらコソコソ話してる子達もいる。

「ちょっ!?やめてください、大きな声出すの。みんなが見てます」


慌てて言うあたしに

「なんで?別にいいじゃん。そんなの気にするなって」


脳天気みたいな笑みを浮かべながら話す先輩。


この先輩と、まともに向き合っても埒があかない。


あたしは無視を決め込み避けるように教室へと向かった。




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