キミの心の声を聞かせて
教室のドアを開けて中に入ると先生はまだ来ていなかった。
ホッと、一安心して自分の席につくと
「ねぇ、中山さん。ちょっと話があるんだけど」
今まで話したことのないクラスメートの女の子2人が声をかけてきた。
こういう場合。ろくな事はない。
警戒心を抱きながら
「なに?」
平静な表情で聞くと
「高村先輩と、なんで仲良さそうに話してるの?」
苛立ちの表情を浮かべながら聞いてきた。
見てたんだ…。あたしが先輩と話してたの。
「別に。話したくて話してるわけじゃないけど」
それに仲いいわけでもないっての。
「なにそれ?高村先輩と話さないでよ」
あたしの言葉にカチンと来たのか。今度は怒りの表情に変わっていた。
なんだ。この子、先輩が好きなんだ。顔にそう描いてあるよ。アイツってモテるんだね。
だからって、あたしにあたらないでよ。
あたしだって迷惑してるんだからさ。