キミの心の声を聞かせて

教室のドアを開けて中に入ると先生はまだ来ていなかった。

ホッと、一安心して自分の席につくと

「ねぇ、中山さん。ちょっと話があるんだけど」

今まで話したことのないクラスメートの女の子2人が声をかけてきた。


こういう場合。ろくな事はない。


警戒心を抱きながら

「なに?」


平静な表情で聞くと


「高村先輩と、なんで仲良さそうに話してるの?」


苛立ちの表情を浮かべながら聞いてきた。

見てたんだ…。あたしが先輩と話してたの。

「別に。話したくて話してるわけじゃないけど」

それに仲いいわけでもないっての。


「なにそれ?高村先輩と話さないでよ」


あたしの言葉にカチンと来たのか。今度は怒りの表情に変わっていた。

なんだ。この子、先輩が好きなんだ。顔にそう描いてあるよ。アイツってモテるんだね。


だからって、あたしにあたらないでよ。

あたしだって迷惑してるんだからさ。



< 52 / 402 >

この作品をシェア

pagetop