キミの心の声を聞かせて

昼休み、トイレに行く時に、なぜか1年の教室があるフロアの廊下をウロウロしてる先輩を見かけた。

その先輩の周りには、先輩見たさに数人の女の子達が集まっていた。


そんな女の子達の視線を気にすることなく、澄ました顔でキョロキョロと辺りを見渡す先輩。


そもそも2年生である先輩達の教室は別校舎にあるのに。なんでいるのよ?


とにかく、見つかったらまた面倒な事になりそうだから、コソコソとトイレに向かうと「あっ!」と声が聞こえてきて


あたしは逃げるように女子トイレに向かった。


数分後、トイレの壁から顔を出して覗いてみると、まだウロウロしてる先輩の姿。

なんでまだいるのよ?

結局、昼休みが終わるまでウロウロしてた先輩。


しつこすぎる。先輩がいなくなった廊下を歩きながら心の中で呟きながら授業が始まる教室へと向かった。

教室のドアを開けると先生が来ていて「遅いぞ」と機嫌悪そうに言われた。

「すみません」と頭を下げながら席につくあたしをクスクスと馬鹿にしたような笑い声が襲いかかる。

そんなクラスメートを横目で少し睨んで席につくと


「コエェ-」とまたクスクス笑いが聞こえてきた。


最悪。ヤッパ、もう先輩とは係りたくない。


そう思った。



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