キミの心の声を聞かせて

「やめろよ!!お前ら!!なにやってんだよ!!」


いつものムカつくぐらいの笑顔とは全く違う。

怖いぐらいの表情で叫ぶ先輩の姿。


「なんで…?いるのよ…?」


戸惑いながら聞くと


「そんなのどうでもいいだろう!?大丈夫か!?」


いつもムカつくのに…真剣にあたしを心配してくれている姿に胸がギュッと苦しくなった。


「なんで高村先輩がいるの?」


アチコチで騒ぎ始めるクラスメート達。そのクラスメート達をギロリと鋭い瞳で見渡す先輩。


先輩の迫力に尻ごみ高津陽子と後退りするクラスメート達。


「お前ら…なにやってんだよ?最低だな。お前達」


低い迫力のある声から発せられた言葉からは、爽やかな笑顔など想像できない怒りを帯びていた。


そして、あたしを捕まえていた男子の腕をガシッと掴むと

「離せよ」と一言鋭い瞳で言い放った。


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