キミの心の声を聞かせて
友達
ボーとした頭のまま、目だけ動かして見ると真っ白な天井が目に入ってきた。
「気づいたか?」
聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「保健室の先生、もう帰っていないみたいでさ。とりあえず治療しといた」
そこっと言われて腕を見ると、いつの間にか大きめのカットバンが貼られていた。
治療…してくれたんだ…。
お礼、言わなきゃね。そう思っていたら
「ごめんな。ちゃんと守ってあげられなくて」
「えっ?」
「お前さぁ…いじめにあってたんだろう?ちゃんと守ってあげられなくてごめん」
そう頭を下げられた。
別に、いじめられてた事は先輩とは関係ないし。
まぁ、今回のキッカケは先輩だったけどさ。
だからって先輩から謝られる必要はないもん。
「別に、先輩のせいじゃないし。謝らないでくださいよ」
心配な瞳であたしを見ている高村先輩…
そんな瞳で見ないでよ。変な期待しちゃうから。
それよりあたし…どうやってここまで来たんだろ?
回らない頭で考えていたら
「お前って、意外と軽いんだな?ちゃんと飯食ってるか?」
抱き上げたら軽かったからビックリしたぞとサラリと話す先輩の言葉に
自分が先輩に抱き上げられた事を聞かされて恥ずかしくなって、耳まで真っ赤に染まっていくのを感じた。