キミの心の声を聞かせて
この感情がなんなのか、よく分からない。なんだか分からないけど気づくのが怖く感じた。

 そう思ったあたしは、もう1つ、疑問に思っていた事を口にした。


 「どうして?あたしを助けてくれたの・・・仲本さん。この事がバレたら、もしかしたら、仲本さんもいじめられるかもしれないんだよ?」


 どうして・・・あたしを助けたいなんて、思ってくれたの?



 「あたし、中山さんと仲良くなりたかったから」


 なんで?どうして?そんな風に思えるの?


 「どうして?あたしと仲良くなりたいなんて、思ってくれたの?」


 だって、今まで、あたしと仲良くなりたいなんて思う女の子
 いなかったんだよ。

 
 なのに・・・どうして?



 「あたしね、小さい頃、中山さんと同じ幼稚園に通ってたんだ。覚えてない?あたしのこと」


 えっ?同じ幼稚園に?必死にその頃を思い出しても、あたしの記憶の中に仲本さんの記憶はなかった。


 「ごめん・・・覚えてない・・・」



 「あ、気にしないで。あたし、小さい頃、体が弱かったから。あんまり幼稚園行ってないんだ」


 あたしの言葉にショックを受けたはずなのに。


 仲本さんは、そんなこと感じさせないぐらいの笑顔で話し始めた。




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