キミの心の声を聞かせて
もう一度、今度は近い距離から降ってくる「大丈夫か?」の言葉に
「大丈夫。これぐらいなんでもない」
強がってみたものの…どうしたことか、足に全く力が入らない。
どうしよう…。変だな…。
すると、あたしの目の前に先輩の広い背中が現れた。
「えっ?」
戸惑っていると
「ほら、乗れよ」の言葉。
「い、いいです」
慌てて首を振りながら断ってみたけど
「いいから。早くしねぇと帰れないだろう」
いいから早く乗れと、促す先輩に
「そうだよ。遠慮することないって」
笑顔で乗ったらと勧める仲本さんに逆らう気力もなくて
「じゃあ…よろしくお願いします」
ゆっくりと、先輩の広い背中に体を預けた。