キミの心の声を聞かせて

いつもなら重く感じる教室への道のり。なぜかきょうは、軽く感じた。


教室のドアを開けて、中に入ると高津洋子を中心としたクラスメート達の視線が一斉にあたしに集まる。


けど、すぐに視線を逸らして、何も言ってこようとしない。



気にしない。気にしないと。


一々気にしてたら身が持たない。無視だ無視。


すました顔で自分の席について鞄から教科書を出していると


「おはよう、中山さん」


仲本さんが、話しかけてくれて



「おはよう」と笑顔で応えた。



こんな些細なやり取りが凄く嬉しく感じた。




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