えがおのしずく。
「ありがと…多岐君…」


多岐君の広い背中に向かって言った。

背中だけじゃ受け止められないくらいの気持ちを込めて…

一度もあたしの方に振り向かない多岐君の背中は、夕日の逆光で黒色に染めらる。

その背中を見ながら多岐君との思い出を思い出していた。


嬉しかったこと、楽しかったこと、つらかったこと…


全部多岐君との思い出…

多岐君と一緒にいたから作れた思い出…

一緒だったから感じた想い…

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