えがおのしずく。
「多岐君…あたし、多岐君のこと好きだよ…」


そう言うと、多岐君は何も言わず左手を上げる。

そして左右に軽く振って教室から出て行った。


あたしは多岐君がいなくなってからもずっとドアの方を見ていた。

多岐君の優しさを一つ残らず感じたかった。

多岐君の優しさは多いくて大きい…

だから全て感じるのに時間がかかったんだ…
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