大切なもの
残るは一位と十二位。
占いをあまり信じ込まない私でも、少しだけ緊張した。


『さてさて、それでは第一位!!
ふたご座で~す!』

「やったーー!!」
柄にもなく、大声をあげてしまった。
初日から、なんだか調子いいかも。

『ふたご座のあなたは、今日は特別な日。意外な人に出会えるかも!?ラッキーアイ...』

「い、意外なひと!?」

一体だれなんだろう・・・。

もしかして・・・


「あら美羽、恋でも始まるんじゃない?」

お母さんがまるで私の思ったことを先読みしてるかのように言った。

「こ、こい!?」
我ながらどうようしてる。


情けない。たかがテレビの占いで。当たるとは限らないのに。


私は自分に言い聞かせるように心の中でそう言い、平常心を保とうとした。

そして、いってきますっ!と逃げるかのように家から出ていった。
< 4 / 4 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop