奥手な私と奥手な君

「え…。だって、適当に返事して嫌われちゃったり呆れられちゃったりとか。そんなの絶対に嫌なんだもの」


もじもじと応える私


「ちょっとちょっと雅美!聞いてないわよ!あんたそんなにもまっ君好きなの!?」



「え!!!!」



「だってそうじゃない。どうでもいい相手にはどうでもいい返事しかしないし何よりもそんなに凝った文章考えないよ」




確かに


伊場君が良い例だ




別に沢山メールする気にもなれなくて私でメールきっちゃったし





「雅美~。おめでとう!何かあんたそういう感情機能ないのかと思ってユイさんと二人で心配してたんだから~!」



「ちょっと待ってよヒロミ;勝手に決めつけないで!!私まだそんな!」



「雅美、あんたさっきから恋してますって遠まわしに言ってるようなもんだよ?」



恋…??


「違うもん!!そんなんじゃないもんー!!」


「はいはいわかったから!とにかく最低でも今日中にメール返信すること!おやすみ!」




ぶちっと言う音と一緒にヒロミの声が途切れた



「もー…。ヒロミったらいつも強引なんだから~」





でも、ヒロミが言ってたこと




私が岡山さんに恋…







お門違いよね




私みたいな地味で面長な女の子なんて



メールしてもらえるだけ恵まれてるってものだ




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